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プロローグ 「お前らみんなサンキューーーッ! 『The Hell SparkS』でしたアッ!!」 オーディエンスの歓声を背中に浴びながら、この俺、煉(REN)率いる『ヘルスパ』が舞台袖にはける。 手応えは上々だった。自分たちに出来る、最高のパフォーマンスが演れた自信もある。 だが、油断はできない。 なにせ、今日の対バン相手は、あの『Boo! Do! Wasp!!』だ。 この巣鴨で、俺たちと人気を二分するインディーズバンド。相手にとって不足はねえ。 大型連休の最後を飾る『5月5日』という『時』ッ! 巣鴨最大のライブハウス『落葉(RAKU-YOU)』という『場所』ッ! そして最大のライバルである『Boo! Do! Wasp!!』という『相手』ッ!! 全部、最高だ! 最高の条件だ! 俺たちが刻んでやる……この地球のロック史に、新たなるページを!! 「……なあ、なんかトラブってんのかな?」 ふと、ベースの羅愚(RAGG)が呟き、ステージのほうを顎でしゃくる。 見れば、確かにメンバーが出てくる様子がなかった。 機材のトラブルか、それともモメてんのかは知らねえが……この聖戦にケチつけてもらっちゃあ困るぜ? ――その時、ドサドサと、重い物体がいくつも落下したような音がステージから響いた。 やっと来たのかと安堵しかけたが、次いで、観客だろうか、女性の鋭い悲鳴もあがった。 「なんだなんだ……!」 俺たちは誘い出されるようにステージへと走った。 さっきまで俺たちが演っていた……流した汗だって、まだ蒸発しきっちゃいないそのステージには、 『Boo! Do! Wasp!!』のメンバーが、血まみれで転がっていた――!! 「こ、これは……まさか」 ギターの琉韻(RUIN)が戦慄く。 俺の頭にも、おそらく同じ『名前』が浮かんでいた。 この連休、各地のライブハウスに突如乱入してはゲリラライブを敢行しているという、 イカれたロックバンドの名を……! 「お、おい……炉輝(ROTTEL)がいねえ!」 ドラムの炉輝は、俺たちと一緒に袖に引っ込んだ後、そういえば姿が見えなかった。 便所に行ってるだけとかならいいが、この状況じゃ、悪い想像が働いちまうってもんだ…… と、ポタリと俺の頬に滴か何かが落ちた。反射的に拭えば、手の甲には赤い痕……血(BLOOD)! 俺たちは仰ぎ、そして見つけた……照明に磔にされた、炉輝の姿を――!! 「ファック! いい加減出て来やがれッ! クソッタレの『ゴッヴァル』どもがーーーッ!!」 俺の叫びを待ってましたとばかりに、そいつらはやってきた。 反対側の舞台袖から、ゆっくりと、己の所業を誇示するかのように。 「皆様ファッキンごきげんよう! 略してファキげんよう! 『God Wind Valkyrie』でーーす!!」 そいつは、イカれたように爽やかな笑顔を浮かべている。 学校制服をアレンジしたような鮮やかな衣装はまさしくガールズバンドのものには違いなかったが、 ところどころ、返り血と思しき赤い染みが疎らに付着し、握ったマイクロフォンからも血が滴っている。 「あ、こちらの血、そこの『ブードゥー』さんの頭蓋骨をカチ割ったときに付いた血です! これがホントのガイコツマイクってね! ギャハハハ!」 俺たちも観客も、ドン引きだった。後ろを歩くメンバーふたりすらクスリとも笑っていない。 だが、この女は自分のMCがめちゃくちゃ面白いと信じ切っている。脳みそがスカスカなんだと思う。 『God Wind Valkyrie』のメインボーカル・KIKKAは、そういう女だった。 「ねっ、ねっ、KIKKA☆」 その背から、ベースを吊った少女がひょっこり顔を出し、計算しつくされた角度で上目遣いをする。 『God Wind Valkyrie』のベーシスト・TIARAだ。 「TIARAの音も聴いてよっ☆ スラップ奏法、うまくなったんだよっ☆」 そう言って二重の目をパチパチしばたたく。こいつは狂人の癖にアイプチなんかしてやがるのだ。 すかさず、もうひとりのメンバーが舌打ちをした。明らかに聞こえよがしに、強く。 「あはっ☆ MEGU、どうかしたっ?☆」 「……わたしのほうが、上手く演れるから」 髪にはブルーのメッシュを入れ、手首に包帯が巻かれているのが見える。 見た目通りのイタいサブカルクソ女、それが『God Wind Valkyrie』のドラムス・MEGU。 「えーっ、なにそれー?☆ MEGUから先に、音楽性の違いで解散させたげよっか?☆」 「やってみれば?」 ビッチとオタクは犬猿の仲になりがちだと言うが、どうやら本当のようで、侮蔑的視線を交わしている。 「おいおい、仲良くしろよ~」とリーダーのKIKKAも口だけで適当に諌めている。 実際は楽しんでいるのだろう。 だが、今こそ好機だ。俺が後ろに控える羅愚と琉韻に目配せすると、ふたりも頷いた。 「――行くぞお前らアッ! やっちまえーーッ!!」 「炉輝の仇だーーッ!!」 「ウオオオオーーッ!!」 俺たちは一斉に飛び出す! このクソアマどもをぶちのめしてやるんだ! 走りながら、それぞれライブ衣装に潜ませた、護身用アーミーナイフに手を伸ばす! 「ファックイエー!」 「ウギャアアーッ!」 先行していた俺の顔面にベースがめり込む! ファックオフ、ベーシストTIARAのカウンターだ! やつのキレキレのスラップ奏法を受け、俺は鼻血を噴き出しながらステージから転げ落ちた! 「ファックイエー!」 「ウギャアアーッ!」 次に餌食になったのは羅愚のやつだ! MEGUのドラムスティックが羅愚の目を打ち、うずくまらせ、その頭蓋骨でエイトビートを刻みだす! 「ファックイエー!」 「ウギャアアーッ!」 そして琉韻、あいつは血塗れのガイコツマイクを手にしたKIKKAに襲われていた! KIKKAは何の楽器も弾けねえカスだが近接戦闘だけは異常に強く、一瞬でマウントを奪い琉韻を マイクでボコボコに殴っている! 「く、クソが……!」 俺は呻いた。マジにクソッタレな状況だった。 TIARAはもう俺のことなど眼中にないのか、MEGUの獲物(羅愚のことだ)を横取りしようと、 羅愚のケツをベースでフルスイングする。しかも、よりにもよって原辰則のフォームだ。反吐が出る。 対するMEGUはTIARAを牽制するためにクラッシュシンバルを投擲したが、ノーコンすぎて狙いを 大きく外し、頭上で虫の息していた炉輝の股間に刺さった。 やめてやれ! 炉輝には同棲中のメンヘラの彼女がいるんだ! 「クソに塗れた世界にー、中指フンフフーン!」 琉韻の顔面を、月面にクソをぶちまけたような有様に変えながら、KIKKAが歌っている。 ナンバーは、やつらのオリジナル曲のひとつ『アイム・ゴッド』だ。 もはや、殴ってるうちに気分が乗ってきて歌ってるのか、それとも殴りながら歌うことを ライブと呼ぶと誤解してるのかも定かじゃねえ。 心の底から夢だと思いたかったが、ステージから落ちるときにぶつけた後頭部はズキズキ痛むし、 鼻から流れ出る血も生暖かくて鉄臭かった。 夢じゃねえ。なら仕方ねえ。ノープランでもやるしかねえ。 俺は『ヘルスパ』のリーダーだ。これ以上俺たちのライブをメチャクチャにされてたまるか。 立ち上がろうとした俺の視界の端を、小さな影が横切った。 「――な、なにやってんの!」 ステージ上の蛮族どもも一旦手を止め、突然の闖入者を見た。 女だった。差し迫った表情を浮かべ肩で息をするそいつは、『ゴッヴァル』のクソどもと揃いの衣装に 身を包み、胸にギターを掻き抱いている。 「……なんだ、MACHIじゃん」 「あはっ☆ おっそーい☆」 「もうライブ、始まってんぞ!」 蛮族どもに親しげに話しかけられるのも、当然だった。 その女はMACHI――『God Wind Valkyrie』のギタリストだ。すなわち、こいつらの仲間である。 だがこいつは、抗議の視線でもってステージ上を睨んでいた。 「私、反対したよね!? なのに、こんな……信じらんない!」 どうやら、マジに仲間割れしているくさかった。 MACHIは肩をぶるぶると震わせていて、対する他のメンバーどもはどこかばつの悪そうな顔をしている。 俺は今度こそ立ち上がった。打開策が見えてきたからだ。 MACHIに同調し『ゴッヴァル』のクソどもにはご帰宅願い、今度こそ俺たちのライブを取り戻すんだ。 殴られた恨みを晴らすだとか、仲間のかたき討ちだとかは、この際いい。 とにかく一刻も早くこいつらに消えてほしかった。 「……この子の言うとおりだ」 俺はMACHIの傍らに並び、彼女の震える肩にポンと手を乗せる。 MACHIは火が出るように顔を赤らめ、ギターをきゅっと握った。 「お前たち、」 「ファックイエー!」 「ウギャアアーッ!」 握られたギターは逆袈裟の軌道を描いて振り上げられ、俺の顎を軽々粉砕した。 俺は、訳も分からずひっくり返って、顎を押さえてのたうちまわるしかない。 「サノバビッチ! いっ、イカ臭い手で触んないでください!」 ハアハアと息遣い荒く、MACHIは赤らめた顔のまま叫んだ。 そして俺たちのやりとりを見下ろして笑っている『ゴッヴァル』メンバーどもを振り返り、 こぶしをブンブン振って抗議する。 「……だから言ったじゃない! 私! こんなチンカスどもを血祭りにあげたって、ファッキン時間の無駄だからやめようって!」 俺の頭は、この世に救いはねえのかとホワイトアウトしかけていたが、 今にして思えば、あの蛮族どもとバンドを組んでる時点で同類なのは当たり前だったのだろう。 尤も、 「……実際、ナントカとかいうギターのやつも音合わせ程度で瞬殺できるクソザコ野郎だったし…… 磔にした後、上から降りてくる方がまだ大変だったよ……っ」 こいつが一番のクソだと、今まさに訂正してやるところではあるが。 言ってる最中に感極まったのか、涙をポロリと零したかと思えば、 「ファックイエー!」 「ウギャアアーッ!」 またも俺をギターで殴打した。 殴られた顔面と凶器となったギターの双方から、バキッと嫌な音が鳴った気がした。 「ふええ……クソッタレだよお……! せっかくのゴールデンウィークなのに……なんでこんなファッキンシットなことに……」 こっちのセリフ極まりなかったが、しかし、そこで口を挟んだのはやつらのリーダーKIKKAだった。 「MACHI! 対バン相手が誰かなんて関係ねえ……ウチらはウチらのライブをするだけだろうが!」 「KIKKA……」 次いで、残りのメンバーもMACHIに声をかける。 「そうそうっ☆ もっと明るく、テンションあげてこーよっ☆」 「ギターの調子が悪いと、全体が悪くなるんだからさ……しっかりしてよね」 「TIARA……MEGU……!」 ぐすっ。MACHIは鼻をすすり、ゴシゴシと目元を拭った。 「……アバズレビッチども、クソくらえっ……!」 呟いた顔は、雨上りの空のような快晴の笑みだった。 他のメンバーも、同じような笑顔を浮かべた。 俺は眩暈がした。 「――行くぞッ! ここからが、本当の『ゴッヴァル』だ!」 MACHIがステージに上がり、それぞれ定位置につくと、KIKKAが号令をかけた。 メンバー全員が、力強く頷く。 MEGUがスティックを打ち鳴らし、『God Wind Valkyrie』の演奏が始まった。 さて、やつらのライブは、あまりにも酷かった。 羅愚たちを殴りすぎたのかTIARAのベースは弦が死ぬほど緩み、お得意のスラップ奏法も形無しだった。 MEGUのドラムセットに至っては、投擲に使われたシンバルやTIARAの襲撃を防いだバスドラムなどが 紛失しており、代わりにあろうことか引き摺ってきた『ブードゥー』を叩いたり蹴ったりする所為で、 リズムキープもクソもなかった。 「今こそフフフフーン! フフフフ運命ー!」 KIKKAの歌詞うろ覚えも熾烈を極め、ほとんど大部分をフンフン言って乗り切っていた。 もっと言えば、この女はそもそも音痴であり、フンフン言ってる方がマシだった。 声量だけはあったが、それだってクソを上塗りしてるに過ぎないかった。 「未来を切り拓くのはー! ボクらの暴力ー!」 MACHIは、よくよく聴けばクソだった詞を熱唱しながら、右手のピックを激しく踊らせている。 その鬼気迫る演奏で膝がギターのバックにガツガツ当たり、俺は自分をしこたまぶん殴ってくれた こいつのギターが、出来るだけ凄惨に破壊されることを祈った。 うちのメンバーや『ブードゥー』が死屍累々なステージから、地獄のような騒音が響き渡っている。 いつの間にか、賢明なオーディエンスどもはライブハウスから逃げ出したようで、 今この空間で意識を保っているのは、『ゴッヴァル』以外には俺だけだった。 そんな巣鴨の大叫喚地獄で、『ゴッヴァル』の四人は心から気持ち良さそうに演奏していた。 「……ああっ!」 続く二曲目の大サビで、とうとうMACHIのギターがぶっ壊れた。 ボディーとネックでボッキリと折れ、さながらギターの首チョンパだった。ざまあみやがれ。 MACHIは瞳に大粒の涙を溜めると、折れたギターをフレイルのように振り回し、 「ファックイエー!!」 「ウギャアアーッ!!」 明らかな腹いせで俺をぶん殴った。 その一撃で、俺もファッキンめでたく意識を手放した。死ね。 「アッハッハッハッハ! 今日のライブも大成功だったなー!」 地獄のライブの後。 ライブハウスから駅への途上にある公園で、『God Wind Valkyrie』はささやかな打ち上げをしていた。 意外にもこのグループは機材の消耗が早く、他のバンドから楽器を快く譲り受けたこともあるが、 普段の練習においても構わず消費してゆくので、自然、それ以外に遣う財源は削られてしまうのだった。 「これで4ハコ制覇も終わりだねっ☆ んん~っ、達成感っ!☆」 「……。……どうしたの、MACHI?」 満足げに炭酸飲料を傾け、コンビニで適当に買ってきたお菓子やパンを食べているメンバーの中で、 MACHIだけが沈んだ表情だった。 確かに両親の生命保険の最後の一滴で買ったおニューのギターは購入後数時間で残骸と化したが、 それでこんなに落ち込むものだろうか? メンバーは心配そうに顔を覗き込む。 「私……みんなに酷いこと言っちゃった……」 MACHIはぽつぽつと語りだす。 「私、焦ってた。巣鴨とかカスいとこじゃなくて、早く渋谷に攻め込まなきゃって。 ……こんな下痢みたいな音じゃ、駅出た瞬間にミンチになってファッキン犬畜生の餌になってたよね」 恥ずかしげに顔を赤く染めながら、取り繕うように笑う。 KIKKAは、そんなMACHIの背中を雑に叩いた。 「ま、あたしら若いんだ! まだまだこれからさ。なっ!」 「……ありがと、KIKKA。ふふ、ド下手が感染るから触んないでよ。ファック」 爽やかな笑い声が一同を包む。『ゴッヴァル』は、改めて絆を確かなものとした。 ここで、MACHIは一旦席を立った。また涙が込み上げてきてしまったため、顔を洗いたかったのだ。 「よーっし、じゃあ久しぶりに新曲でも作っか!」 「……いいね。わたし、詞のイメージが、」 「あーっ☆ TIARA、イイ感じのメロディあるんだよねっ☆ ねっ、KIKKA、こっち先聴いてよっ☆」 「遮んなクソビッチ」 「ええーっ、MEGUったら酷いっ☆ アコースティックにしちゃうぞーっ☆」 公園のトイレへと歩むMACHIの背中に、TIARAとMEGUのじゃれ合う声と、KIKKAの笑い声が聞こえる。 すっかり、いつもどおりだ。自然と笑みがこぼれた。 私たちのバンドは、まだ未熟だ。 でもそれは、言い換えれば、これからもっと上手くなれるということだ。 「私たちなら……『God Wind Valkyrie』なら、さらなる高みへ行ける。だから、もっと頑張ろうっ!」 ぱちんっ! 両手で頬を叩き、気合を入れ直す。 明日から、また猛練習だ! ファックイエー! ――だが。 そんな、MACHIの淡い願いは、脆くも崩れ去ることになるのだった。 MACHIがトイレを出ると、メンバーの様子がおかしいことが遠目にも分かった。 地面に突っ伏していたり、変な動きでもがいていたり。新しいパフォーマンスでも考案中なのだろうか? 万が一にも、ケンカだったら止めないと――MACHIは小走りで戻る。 「……ファック……!?」 思わず、MACHIは呟いていた。 立ち尽くすMACHIの足元には、MEGUが倒れていた。 隈の深い目をカッと見開いた、苦悶に満ちた表情で事切れていた。 周りの地面には引っ掻いた跡がいくつも残り、MEGUの爪の間にも砂が詰まっている。 「オボッ……ゴ……!」 「ッ……☆ カッ……☆」 KIKKAとTIARAは、まだ生きていた。 ふたりは現在進行形で喉を押さえたり胸を叩いたり、もがき苦しんでいる。 「き、KIKKA! TIARA! どうしたのっ!?」 無我夢中で叫びながら、MACHIは近かったTIARAをまず抱き起した。 TIARAは震える指先をなんとか動かして傍に落ちていたゴミを示し、そして、ぷつりと力を失った。 もう一度名前を呼ぼうとして、MACHIはかぶりを振る。その瞳から、涙の粒が散った。 「っ……! これ、は……!?」 MACHIは、TIARAが最期の力を振り絞って残したメッセージの正体を見た。 そこにあったのは、焼きそばパンの包装だった。3人分、あった。 すべてを理解した。 MEGUとTIARAは食べようとした焼きそばパンが喉に詰まって死んだ。 ……つまり、 焼きそばパンに殺されたのだ……!! 「KIKKAっ!」 最後のメンバーまで失うわけにはいかない――MACHIはKIKKAの元へ駆け寄った。 KIKKAは音痴だが声量は図抜けており、それのおかげか辛うじて死を免れていた。 悶え苦しむKIKKAの手を握ると、MACHIはもう片方の手に意識を集中した。 (……お父さんとお母さんをぶっ殺しちゃってから、ずっと封印してたこのチカラ) 2年前、MACHIは些細な諍いから魔人に覚醒し、両親を殺害してしまった。 魔人覚醒に伴う犯罪行為は不問に処されるのがほとんどだが、本人の意識においても 不問に出来るかというと、そう簡単な話ではない。 MACHIは一時、誰もいない家に引きこもり、ほとんど死んでいるのと同然の生活を送っていた。 あるいは、死を望んでいたのかもしれない。両親の待つ場所へ行くことを。 そんなMACHIを救ったのが、ロックであり、『God Wind Valkyrie』だった。 それまで交友関係のなかった3人が彼女を訪ね、バンドに誘ったのだ。 最初は乞われるがまま亡霊じみて参加していたMACHIだったが、次第にロックの世界にのめり込み、 どっぷり浸かってゆき、今はロックが生き甲斐になっていた。 彼女は、ロックに、『God Wind Valkyrie』に生かされていた。 だから、今こそ。 呪われたこのチカラで、大切な仲間を救うのだ。 「KIKKA、ちょっとガマンしてね――今、助けるから!」 「ンーッ!! ンンンーーッ!!」 MACHIはKIKKAの口を大きく広げ、そこに腕を突っ込んだ。 生理学的反応が腕を押し戻そうとするが、構わず突き進む。KIKKAを救うために。 「っ……あっ!」 やがてMACHIの指先は、KIKKAの喉に巣食う焼きそばパンに触れた。 今だ!! 「『KILLER★KILLER』ッ!!」 怨敵を確実に殺害する、MACHIの魔人能力『KILLER★KILLER』。 このチカラで、クソムカつくファッキン焼きそばパン野郎をぶっ殺してやれ! 「木っ端微塵になって消え失せやがってよ! 『ナンバー:爆殺』ッ!!」 能力を行使した刹那、焼きそばパンは粉々に爆死した。 その余波でKIKKAの首から胸にかけても爆散し、支えを失った首がごろんと転がった。 「き……KIKKAーーーッ!!」 MACHIの悲鳴が夜の公園にこだまする。 そして少女は、またひとりぼっちになった。 連休明けの5月6日、MACHIは通っている希望崎学園を休んだ。 二度目の大きな喪失を前に、心が完全に折れてしまったのだろうか? 「キミから差したー……確かなヒカリー……」 否。 少女は淡々と、復讐の牙を研いでいた。 「眩しくてー、でもー……見つめ続けたー……」 MACHIが密かに温めていた新曲。タイトルも、まだついていない。 『ゴッヴァル』とはカラーが違うかな、とか、やっぱり照れくさいな、とか逡巡しているうちに、 結局行先を亡くした、哀れな言の葉たちだった。 「My precious stars……woo……」 その詞を口ずさみながら、新たな包装を破る。 取り出した焼きそばパンを握り目を閉じる。やがて、それは黒ずんで腐り落ちた。 「……ファックイエー」 焼きそばパンの残骸を捨てる。 能力の全容は大体理解できた。本当なら、もっと早くそうするべきだったのに。 もっと早く過去と向き合っていれば……いや、これ以上は仕方ないことか。 「クソッタレの焼きそばパンども……この手でぶち殺してやる……」 明日、希望崎学園に入荷するという伝説の焼きそばパン。 食べた者に御利益をもたらすという噂だが、クソくらえだった。 伝説の焼きそばパンの首級。それだけが、唯一の鎮魂ロックだ。 あらゆる苦痛を与えて、伝説の焼きそばパンをぶっ殺す。 さあ、ロックンロールの始まりだ。ファックイエー!!
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登録日:2020/07/18 Sat 21 40 00 更新日:2024/03/14 Thu 20 04 06NEW! 所要時間:約 9 分で読めます ▽タグ一覧 70年代テレビアニメ NETテレビ おれは洸だ アニメ オカルト ゴッドバード ゴッドバードアタック ゴッドボイス サッカー部 サンライズ スパロボ スパロボ参戦作 テレビ朝日 ムー大陸 ライディーン ラライラーイライララーイ ロボット ロボットアニメ ロボットガールズZ 何故かなかなか立たなかった項目 勇者 勇者シリーズ←ではない 勇者ライディーン 妖魔帝国 富野由悠季 旧世紀エヴァンゲリオン 東北新社 歌いなさい 長浜ロマンロボ第0作 長浜忠夫 眩しい空を 輝く海を 渡せるもんか 悪魔の手には 『勇者ライディーン』とは、1975年にNET(現:テレビ朝日)系列で放送されたテレビアニメである。 企画は東北新社、アニメーション制作は創映社(現:サンライズ)。 ▲概要 岸本吉功や山浦栄二ら元虫プロスタッフが知己の東北新社の出資を得て立ち上げたアニメーション製作会社「創映社」初のロボットアニメでもある。 企画に当たっては東映の『マジンガーZ』を強く意識し、同時に差別化のため当時としては珍しい「オカルト・神秘性」をテーマに扱った。 またロボットアニメとしては初めて「変形」という要素を取り入れており、これは『仮面ライダー』を参考に「機械的な強さだけではない超人性」という二面性あるキャラクターをロボットに持たせる意図があったとか。 ただし、オカルト要素に関してはNETの親会社である朝日新聞社が否定的だったこともあり、放送中に現場やスポンサーなどを巻き込んでのいらぬトラブルや対立が巻き起こることになってしまった。 このいざこざで富野喜幸氏は総監督を降板されてしまったが、その後新たに総監督に就任したのが後に『コン・バトラーV』『ボルテスV』『ダイモス』などの名作を生み出した長浜忠夫氏である。 なお、長浜氏は富野氏の技量を高く評価しており、彼が監督を降板させられてしまうことを最後まで惜しんでいたという。 タイトルに「勇者」とあって制作会社も現サンライズであるが勇者シリーズとは無関係である。 ライディーンの版権を持ってるのは東北新社だしスポンサーはバンダイ傘下のポピーだし。 ▲あらすじ 1万2千年前にムー大陸の帝王ラ・ムーにより封印されていた悪の帝国、妖魔帝国が現代に復活。「悪魔の時代の完成」を目指し活動を開始する。 考古学者の祖父と父を持つ快活な少年ひびき洸は謎の声に導かれ、古代ムー帝国が残した巨大ロボットライディーンに搭乗。 妖魔帝国の魔の手から世界を守るため、そして囚われた家族を救うため戦うことを決意したのであった。 今、神の力と悪魔の力がぶつかる! 負けるな僕らのライディーン!! ▲登場人物 ☆ムトロポリス ひびき洸(あきら) CV 神谷明 主人公にしてライディーンのパイロット。15歳の中学3年生。じゃあバイク乗れねえじゃん 考古学者の父・一郎とムー帝国の血を引く母・玲子を持つ。 サッカー部のキャプテンも務める熱血な2枚目美少年だが、天然ボケな一面も。 桜野マリ CV 高坂真琴→芝田清子 ヒロイン。サッカー部のマネージャーで、洸とは相思相愛で、彼が麗と接近していると嫉妬する一面も。 後に自身もコープランダー隊して洸のサポートに回る。 父親である東山博士と名字が違うことが時折あれこれと憶測を呼んだこともあったが、DVD-BOX特典の資料集に博士とは養子関係と記述されて長年の謎に決着がついた。 神宮寺力 CV 井上真樹夫 コープランダー隊に所属するブルーガーのパイロット。通称「ミスター」。孤高でクールな性格だが、実際は洸同様熱血感で無鉄砲な一面も持つ。 ネタバレ 終盤圧倒的な強さでライディーンを追い詰める大魔獣バラゴーンを倒すため、大量のミサイルを搭載したブルーガーでバラゴーンの体内に突撃。 命と引き替えに逆転のきっかけを作った。 荒磯ダン CV 山下啓介 洸の親友でサッカー部の副キャプテンを務める大柄な少年。後にスクラップロボボインダーを作り、ライディーンのサポートに回る。 明日香麗 CV 江川菜子 霊感持ちの超能力少女。元暴走族で元シスターという多くの属性持ちなんともややこしい過去を持つ。 マリからは恋敵として見られていたものの、当の麗自身は洸を恋愛対象としては見ておらず、あくまでも仲の良い友達止まりだった。 実は冷凍睡眠から遅れて目覚めた洸の伯母という設定があった(*1)が、本編ではボツになっている。 猿丸太郎 CV 西川幾雄 ムトロポリス所属の天才少年。通称「大先生」。ライディーンを解析して強化のための封印を見つけ出したり、スクラップからボインダーを作り上げたり等、要所要所で活躍している。 ひびき玲子 CV 日比野美佐子 洸の母。正体は1万2千年前のムー帝国の王ラ・ムーの娘レムリア。バラオ復活を予見していたラ・ムーにより冷凍睡眠装置で現代まで眠っていた。 現在は行方不明となっているが、実際にはラ・ムーの星を探すための放浪の旅に出ていた。 ☆妖魔帝国 プリンス・シャーキン CV 市川治 妖魔帝国の悪魔王バラオに仕える悪魔人の王子。 「普段は仮面を付けているがその下は美形」という後の作品にもよく見られる美形悪役キャラクターの元祖。洸のライバル的存在となる。 実はラ・ムーの血を引いている(具体的な血縁関係は不明)のだが、それを知ること無くライディーンと戦い、一騎打ちの末敗北。 最後は妖魔帝国を称えつつ自ら切腹して果てた。 最後まで悪役ではあったものの、洸からは「もし味方だったなら」とその死を悼ばれた。 漫画『ゴッドバード』では 映像作品では描かれなかったラ・ムーとの関係、並びに妖魔帝国に心を売ったその経緯などが具体的に描写された。 シャーキンは元々ラ・ムーの妾の子供の一人であり、洸の母親である玲子=レムリアとは異母兄弟であったが、 溺愛する実弟アズナル(名前の由来はこの人)を皇帝にするためバラオに魂を売って悪魔人となったと、その出自が補完されている。 妖魔帝国の滅亡からから35年後、バラオらと共に復活を果たし、黒いカラーをした「月のライディーン」を駆ってスーパーロボット軍団と敵対するが、 主人公・囀晶がアズナルの実娘にして自身の姪であるという事実を紆余曲折を経て知ってしまい…… 祭官ベロスタン CV 肝付兼太 妖魔帝国の祭祀長。化石獣復活を担当している。 「い~の~ち~さ~ず~け~よ~」 豪雷巨烈 CV 加藤精三 復活したバラオがヒマラヤから蘇らせた側近。狡猾な頭脳派で、弟とは後継者を巡って争っていることもあり仲は悪い。 しかし激怒巨烈がライディーンに敗れた際には仇討ちに燃えるなど、なんやかんやで憎からず思っていた模様。 最期は自らを巨烈獣バンガーに変貌させムー遺跡での決戦に臨み、残る巨烈獣を総動員した大攻勢の果てにライディーンをあと一歩のところまで追い詰めるも 唯一の弱点であった目を射抜かれた隙に起死回生のゴッドバードを被弾。ラ・ムーの星を目前に無念の死を遂げた。 激怒巨烈 CV 飯塚昭三 復活したバラオがゴビ砂漠から蘇らせた側近。好戦的な肉体派で、兄とは仲が悪く互いの足を引っ張り合うことすらあった。 ちなみに巨烈獣の出撃前の決闘の対戦成績は激怒巨烈の方が多かったりする(*2)。 兄への妨害や無断出撃を度々やらかしてバラオから苛烈な制裁を受けたことも。 なお、そういったやらかしの一つが、後に『ラーゼフォン』屈指の鬱回「ブルーフレンド」の原案となった巨烈獣マダンガーにまつわる一件である。 妖魔大帝バラオ CV 滝口順平 妖魔帝国の帝王。当初はバラオ像に封印されており、ベロスタンの呪文に呼応して化石獣を産みだしているだけだった。 後にシャーキンの死とベロスタンの最後の祈りを受け復活。 敵拠点である妖魔島そのものでもあり、胸から上だけで180m、異形の下半身を含めれば全長800mという巨体の持ち主。 ▲巨大戦力 フェード、フェード…フェード……! んんん……はぁぁぁぁぁっ!! ライディィィィン! フェェェーーード・イン!! ラァァァイディィィィィン!! ○ライディーン 1万2千年前に古代ムー帝国で作り上げられた巨大ロボット。 普段は人面岩の内部に格納されており、洸が搭乗(フェード・イン)することで、彼の念動力がキーとなって稼働する。身長52m、体重350トン。軽いな。 動力は神秘のエネルギームートロン。洸とは命を共有しており、ライディーンが破壊されると洸も死んでしまう(逆に言えばライディーンが復活すれば洸も蘇生する)。 フェード・インする際には頭部分から入り込み、そこから内部シャフトを降りてコックピット(人間の心臓部分)まで降下させる。 ちなみに飛び込む前に乗り捨てたスパーカー(バイク)はしっかり格納してくれる親切仕様。 様々な武装を内蔵しており、一部封印されていた武器も存在する。ちなみに人間が作った武器を後付けで内蔵することは不可能(*3)。 モチーフはツタンカーメンのマスクとベルボトムのジーンズ。 外見が日本の侍の鎧兜に似ているのは、マジンガーZが西洋の鎧に似ているから「なら和風だ!」という発想らしい。 名前の由来は、江戸時代に圧倒的な巨体で活躍し伝説となった実在の力士「雷電為衛門(らいでんためえもん)」から。 玩具展開では通常版のほか、1977年にDX超合金よりリリースされたブラックバージョン(通称:ブラックライディーン)の存在がマニアの間では有名であり、 所謂玩具展開における色替えアナザーバージョンの始祖とも言われている。 漫画『ゴッドバード』では、このブラックバージョンをモチーフにした、黒いカラーリングの月のライディーン(*4)が作中に登場している。 ☆主な武装 ゴッドミサイル 腹部に格納されているミサイル。 ゴッドゴーガン 左腕を弓の形状に変形させ、背中から出した矢を放つ。封印解除後は剣のように使う「ゴーガンソード」にもなる。 射出時に矢へエネルギー場を纏わせる際の効果音が大変にファンシーだと一部で評判。 ゴッドブロック 右腕のプレートを円形に変形させて盾にする。封印解除後は高速回転して防御力を上げる「ゴッドブロック・ビッグスピン」にもなる。 ゴッドブーメラン 右腕のプレートを三日月型に変形させ投擲する。封印解除後はブースターで射出される「ジェットブーメラン」にもなる。 ゴッドブレイカー 右腕のプレートから刃を伸ばし剣として使用する。封印解除後はエネルギーの刃を発生させることも可能となった。 念動光線ゴッドアルファ 全身からエネルギー光線を放つ。初期は洸の体力を大きく消耗させていたが、後に克服した模様。 ゴッドバード 鳥を模した飛行形態へと変形する。この状態で敵に突撃・粉砕する「ゴッドバードアタック」がライディーンの必殺技。 封印解除後は頭部を分離させて射出する「ヘッドカッター」も使用可能になった。 ちなみに分離した胴体は新たに巨大な刃を展開して突撃する。 ゴッドボイス 封印されていた強化武器の一つで、ライディーンの最強技。胸から強烈な超音波を放ち、あらゆる物体を粉砕する。洸の体力も大きく消耗する諸刃の剣。 真の威力を発揮させるには「ゴッド・ラ・ムー」と叫ばねばならず、普通に使った場合はガラスすら破壊できない。 実は完全無欠の破壊兵器というわけではなく、一部の巨烈獣に凌がれてしまったこともある(*5)。 ちなみに番組冒頭で提示されたライディーンの図解に「ゴッドボイスの機構が存在してない」のは一部で有名な話。 この矛盾は漫画『ゴッドバード』にて上手く伏線回収されている。 ラ・ムーの星 ライディーンのエネルギー源であるムートロンの増幅装置であり、海底に眠るムー遺跡の中枢部分。 その増幅能力たるや尋常ではなく、全長52mのライディーンを300m近くの巨体に変貌させ(*6)、バラオとの最終決戦に重要な役割を果たした。 しかし能力の発動には大量の念動力を注ぎ込む必要があり、単身での起動を図ったレムリアは我が子の前でその命を散らしてしまう。 ○ブルーガー コープランダー隊の重戦闘機で、ライディーンの支援を行う。上部には分離して単独行動できる小型戦闘機「スピットファイター」が格納されている。 スパロボあるあるだが、原作では補給装置や修理装置にあたるような描写は無い。 ○ボインダー ダン率いるサッカー部の部員達が操縦するガラクタメカ。設計・開発したのは猿丸。 ボスボロット的なムードメーカーで、基本役立たずだがたまに予期せぬ大活躍をすることも。 名前の由来は胸部に仕込んだバネ仕掛けのパンチンググラブ二基から連想されるもの。可愛さやエロさの欠片も無い外観だけど 動力は石炭。そのため劇中では燃料切れを起こした際に服を脱いで炉にくべて動かしているシーンもある。※マリもしっかり剥ぎ取られました ○ドローメ 集団で出てくるタコクラゲのような外見の下級の妖魔獣。もっぱらブルーガーのメインの相手orライディーンの前哨戦役。 殆どのスパロボ作品では気力上げのエサとして認識されているような雑魚で、フォルムも特徴的なためライディーンの敵キャラと言えばドローメかガンテかと言うほど有名だが、 一部では、ライディーンの準最強の必殺技である「ゴッドバードでドローメが落ちないほど硬い」と別な意味でも有名だったりする。 というのも、その作品では全体的に火力が低めであることと、ライディーンはむしろ便利な機体であり、強化改造も良い意味で後回しにされがちなため、この様な事態が起こりやすかった。 ぶっちゃけ、ゴッドバードで落ちない=他の機体でも落とすのに難儀するほど硬いというだけなのだが。ドローメごときで全体がそれってなおさら異常じゃねぇか!と言われるとぐうの音も出ない ○化石獣 前半における妖魔帝国の主戦力。ベロスタンが儀式を行なって隆起した岩塊を素体とし、バラオ像から放たれた怪光線によって活動する。 生物的な物や機械的な物など外観も様々で、ライディーンそっくりのギルディーンなども存在する。 ○巨烈獣 後半の主戦力で、豪雷巨烈&激怒巨烈が作り出す戦闘兵器。 化石獣と比べものにならない巨大な力を持っており、一度はライディーンと洸を死に追いやっている(*7)。 初期の頃はそれぞれの巨烈獣を対決させ、勝った方がライディーンと戦っていた。後にバラオの手でそれぞれの巨烈獣を合体させた「合体獣」も現れるようになった。 漫画『ゴッドバード』では巨烈獣同士を戦わせるデモンストレーションは「負けた方の魂をバラオに捧げる儀式」として解釈されている。 ▲関連作品 ここまで何度も触れている漫画『ゴッドバード』は、現実の年代(当時2010年)に合わせて本作の35年後を舞台とした作品で、時を超えた洸らやライディーンも登場する。 多くのロボット漫画を手掛けた長谷川裕一による作品で、過去作である長浜ロマンロボ3作のクロス作品『超電磁大戦ビクトリーファイブ』の続編も兼ねていることでこの3作とさらには『ダルタニアス』が出演するというちょっとしたスパロボと化していた。 『超者ライディーン』『REIDEEN』は本作を元に作られたアニメだが、いずれもストーリー的なつながりは全く無く、ほぼ名前だけと言ってよい。 この内『REIDEEN』は、2014年に『勇者ライディーン』とコラボしたパチスロ作品として『CRダブルライディーン』が発表されている。 『ラーゼフォン』は本作をオマージュしたと明言されているアニメだが、あくまでリスペクト程度で極端に似通っているわけではない。エヴァっぽい印象の方が強い。 『僕のライディーン』というタイトルの漫画もあるが、これは本当に無関係。 ▲外部作出演 スーパーロボット大戦シリーズには『第3次スーパーロボット大戦』に初参戦。その後も合計14作品に参戦している。ただし近年はご無沙汰でソシャゲの『DD』が久しぶりのまともな参戦。 参戦当初は「悪魔帝国」と誤植されるわ、とりあえずシャーキン倒したら全く再現されなくなるわ、ゴッドボイスを10回以上使うと最終決戦に参加できないわと散々な扱いだった。 ゴッドバードを放つとき、「照準セット!」と叫んでいるにもかかわらずそれでも外すのを覚えている人も多いだろう(*8)。 その後は徐々にオリジナル系含めた他作品とのクロスオーバー方面で存在感を発揮し始め、 「念動力」がオリジナル系の根幹設定に採用され、ライディーン自身の意識とリンクを図って宇宙怪獣の情報を入手しようとする大実験(*9)が行われたり(αシリーズ)、 12000年前にムーを襲撃した者達が妖魔帝国ではなく外宇宙の侵略者(IMPACT)という設定になったりとファンタジー寄り設定を活かした作劇がされていく。 中でも一番印象的なのは『MX』における立ち回りだろう。原作終了後扱いではあるが、同時参戦の関連作『ラーゼフォン』との絡みを軸としており、 原作終了後である事を逆手にとってラ・ムーの星の存在を重要アイテムとして起用。「制御方法が確立されている無限力」として地球内外を問わない様々な勢力がこれを狙っており、終盤は実質ラ・ムーの星を巡る争いでもある…という厚遇ぶり。 『ラーゼフォン』も本筋の中核を担うポジションになっているため、そこと密接な立場である洸とライディーンも当然存在感を示す。 特に美嶋玲香(『ラーゼフォン』の重要人物)がライディーンに声を掛ける完全オリジナルのボイス付イベントは多くのファンを驚かせた。 「いつか、地に永遠(とわ)の光を与えるために…」 『MX』設定ではラーゼフォンともども古代ムー帝国で建造された存在だったが、ラーゼフォンはバーベム卿(*10)が自身の目指す「世界の調律」のためにあらぬ方向へと作り替えられていき、結果バーベムの追放とともに破棄されてライディーンは単身でムーの外敵と戦う羽目になった。 いわばラーゼフォンとライディーンは生き別れた兄弟のようなもので、ラーゼフォンの魂というべき存在の玲香がライディーンと洸に度々接触を取ろうとするのはこのため(*11)。 玲香…ラーゼフォンの願いはライディーンによって調律を「停止」させること。 調律とは大まかに説明すると世界を一度解体して純粋なリソースに戻し、そこから新世界の創造を再開する行い。 バーベムは2体の真聖ラーゼフォンを並び立たせ互いを破壊しあうことでこれを完遂しようとしていた(*12)。 『ラーゼフォン』の原作ではアニメ・映画ともども調律を止めること自体は出来ず、 綾人が調律に干渉して穏便な形で新世界創造を行うという決着を迎えていたが(*13)、 『MX』の世界状況では創造の前の破壊を行った時点で隣接する並行世界にリソースを吸収されかねない状態であり、調律自体を停止させなければならなかった。 そしてついに迎えた最終局面。黒い月とリリスの降臨、並び立つ2体の真聖ラーゼフォンという人類史終焉の瀬戸際でついにラ・ムーの星が発動。 真の力を解き放つライディーンは綾人と並びたち、調律の歌にゴッドボイス…ライディーンの歌を重ねていく(*14)。 大いなる二重唱が終わった時、調律は停止した。 世界を変える神の歌に人々を守る勇者の歌が加わり、今の世界を守る歌に変わった瞬間であった… 調律と補完が停止し、ゼーレが残した最後の悪意を退けたMX一行を後に、ラーゼフォンは単身並行世界の維持管理を担うべく世界の壁の向こうへ去っていく。 調律のために生み出された宿命として、「人々と共に歩む」事が許されないラーゼフォンは人と共に歩む「勇者」に何を思ったのだろうか… 『ロボットガールズZ ONLINE』では、東映が一切関わっていないにもかかわらず擬人化キャラ「ライディ」として期間限定で登場(敵も一部登場)。 やはり長浜ロマンロボ第0作だからであろうか。 ▲その他パロディ・オマージュ 音楽グループ・YMOの代表曲『RYDEEN』は、本作に因んで名づけられたもの。スペルが違うが(*15)、これは商標に引っ掛かることを防ぐため。元々為衛門に因んで「雷電」と名付けた曲だったが(*16)、『勇者ライディーン』の評判が(当時彼らが活動拠点にしていた)アメリカにも伝わってきたことを受けて、急遽このタイトルにしたそうである。 『機動戦士ガンダム』42話では、モブとしてダイターン3と共に地球連邦軍のジム軍団に交じって登場している。 『新世紀エヴァンゲリオン』に登場するヒロインの名前はライディーンのキャラに因んでいるという説がある(「あすか・れい」、「さくらの・まり」)。だから『スパロボMX』であんなに絡んだのだろうか? なぜだろう なぜだろう 心が燃える 追記しろと 修正しろと 誰かが叫ぶ 書くぞライディーン 待っているwikiが ライライライライラーイ おれは洸だ きみの仲間だ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ちなみに東宝チャンピオンまつりで唯一上映された巨大ロボットアニメでもある -- 名無しさん (2020-07-18 21 54 16) OPがクレヨンしんちゃんでパロディされたことでも有名。個人的にはその印象の方が強い -- 名無しさん (2020-07-18 22 06 41) スパロボやってると、普段は割と高めの声で喋る洸が唐突にドスの利いた声で「ゴォォッドぉ↓…」とか喋り出すので笑ってしまいそうになるが、アレはそれぞれ『洸としての声』『ライディーンとしての声』という設定なんだっけ? -- 名無しさん (2020-07-18 22 07 35) 東映アニメーション&永井豪作品でないけど此れやコンバトラーV以降の東映ロボットアニメもインフィニティー風のアレンジを加えた物が有っても良いのでは! -- 名無しさん (2020-07-19 12 51 44) 主役ロボの武装がシステマチックでいかす -- 名無しさん (2020-07-19 18 33 56) 勇者が覚える呪文のライデインとか餓狼伝説の楽曲の勇者雷電あたりもパロディ? -- 名無しさん (2020-07-19 19 09 39) もう慣れたけど初めてゴーガンのSE聞いた時は魔法少女モノかと思ったわ。 -- 名無しさん (2020-07-20 12 41 42) パチでRYDEENと一緒にwライディーンで作られたな、クオリティは高い -- 名無しさん (2020-07-20 13 25 13) ボインダーってこの項目見て初めて知ったんだけどスパロボ出演は1回も無いの? -- 名無しさん (2020-07-20 14 07 58) ↑ 無いねー GBA~DS頃の携帯機スパロボにはそういうレアなキャラも参戦してたんだけど、ライディーンはWSにしか出てなかったし… -- 名無しさん (2020-07-20 14 57 37) ↑携帯機はボイス無しだから出てるかとも思ったが残念だな。とはいえブルーガーの扱いも良い方で、ミスター・マリ・麗も優秀だから追加でボインダー出したところでアイデンティティ無さそうだから仕方ないか。 -- 名無しさん (2020-07-20 15 52 49) FFVIの召喚獣ライディーンの元ネタもこの作品だろうか -- 名無しさん (2020-07-21 00 28 12) 同時攻撃システムのあるMXで洸のゴッドボイスと真聖綾人の調律の歌の同時攻撃はマイクのエコーが凄まじくカオス -- 名無しさん (2020-07-21 18 00 56) 一部のスパロボでは洸が念動力の技能を持つため、サイズLのライディーンでもザコの攻撃をあっさり回避できたりする -- 名無しさん (2021-04-11 19 44 08) 電気グルーヴが「YMOの『RYDEEN』に因んで『ガンダム』というアルバムタイトルにしよう」と考えていたものの、著作権上の問題で使用許可が下りず『KARATEKA』というタイトルに落ち着いた……という逸話があるそうな -- 名無しさん (2021-04-11 20 44 46) 鉄人28号、アストロガンガー、マジンガー系、ゲッターロボ系に続く五番目の巨大ロボットフォーマットなわけで、後年のリメイクやあやかり作品の多さも頷けるというもの -- 名無しさん (2022-05-11 13 22 07) スパロボZシリーズには出てくれなかったな…真マジンガーやアクエリオンとクロスオーバーできそうだったのに -- 名無しさん (2023-07-09 17 51 08) 祝、スパロボDDにて復活 -- 名無しさん (2023-09-10 16 43 40) 実はスパロボでの第一話の再現はDDが初という -- 名無しさん (2023-09-10 17 19 40) ↑11 そもそもの荒磯やレッド団が未登場だしね(新スパロボで予定はあったのかグラフィックが残ってたみたいだが) -- 名無しさん (2023-09-10 17 37 06) エヴァのヒロインと名前が一緒なのは、アスカとレイについては偶然だったのだけど、庵野監督は友人でライディーンファンの出淵裕氏に元ネタじゃないんだ、とガッカリされたのが心残りだったそうで、新劇場版で新たにヒロインを増やすことになって今度はちゃんとライディーンから取ってマリにした、と「破」の全記録全集のインタビューにある。 -- 名無しさん (2023-09-10 20 10 43) ↑てことは「鈴原サクラ」も「さくらの・まり」から来てるのか -- 名無しさん (2024-03-14 11 26 15) 名前 コメント
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■小ネタ トップに戻る■ [部分編集] イベント名の由来 イベント名 由来(推測) 洋上のハロウィンナイト イベントの開催時期、ストーリーより 北国からの使者 ピックアップ新規艦「アラスカ」より(アラスカはアメリカの最も北の州) 水面に潜む雷獣 ピックアップ新規艦「ヴェンチャラー」より(雷は魚雷の意味) 凄腕GOODGUY 報酬クルー「N・サザランド」他より 空を割く蒼き魂 報酬「ドーントレス」「ワイルドキャット」より 海に潜む悪魔のDNA ピックアップ新規艦「フレッチャー」より。艦名の由来のフレッチャー海軍大将(フランク・フライデー・フレッチャー)の甥(フランク・ジャック・フレッチャー)もまた海軍大将となったことより。両名とも駆逐艦の艦名になっている) 戦火に咲く一輪の花 報酬クルー「U・モーガン」より(U・モーガンは女性。) ↓コメント等 名前 閲覧数 今日: - 昨日: - 合計: -
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ピロンメイデース アプロディテの別名。 「男根から生まれた女神」の意。
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今日 - 合計 - タグ アクション アドベンチャー マイク機能使用 たけしの挑戦状の攻略ページ 基本情報 ストーリー 攻略情報 Tips プチ情報 関連動画 参考文献、参考サイト 感想・レビュー 基本情報 [部分編集] メーカー タイトー ハード ファミコン 発売日 1986年12月10日 価格 5,300円(税別) ジャンル アクション プレイ人数 1人 セーブデータ 無し(パスワード制) 公式情報 http //www.nintendo.co.jp/wii/vc/vc_tc/ タレント、ビートたけしが開発に参加したゲーム. 名義の上だけではなく本当にたけしが様々なアイディアを出しており、 その結果とても独特な作品となっている。 後にたけし参加作品第二弾「たけしの戦国風雲児」も出された。 ストーリー [部分編集] 攻略情報 [部分編集] Tips [部分編集] プチ情報 [部分編集] 本作発売のちょうど前日である9日にたけしが「フライデー編集部襲撃事件」を起こした。 関連動画 [部分編集] 参考文献、参考サイト [部分編集] 感想・レビュー 名前 コメント 選択肢 投票 役に立った (0) 2016年08月17日 (水) 10時08分30秒 [部分編集] ページごとのメニューの編集はこちらの部分編集から行ってください [部分編集] 編集に関して
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GENRE TITLE ARTIST bpm notes チェッキンoverjoy難易度 ジャンル 曲名(難易度) 作曲者 BPM ノート数 チェッキンoverjoy難易度 譜面情報 攻略情報・コメント ID等書き込みは任意です。 IIDX IDなど
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レア:☆☆☆☆☆ 種類:呪文 対象:敵全体 属性:雷 効果:ダメージ 会心:× 必殺技:ライデイン 習得モンスター 少年レオソード スペディオ ネーレウス ライオネック 雷雲を呼びよせ、稲妻を落として、敵全体を攻撃するぞ! カテゴリ・呪文に戻る ロトの系譜(特技)に戻る メニューに戻る
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超者ライディーン THE HEARTS コメント 1996年(平成8年)10月2日から1997年(平成9年)6月25日までテレビ東京系にて放送されたテレビアニメ。全38話。 『勇者ライディーン』を原案とするが、共通するのはゴッドライディーンのデザイン等一部の設定に留まる。 THE HEARTS ホウオウ:椿 聖人/ライディーンフェニックス コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 ANGEL ウォーグル:鷲崎飛翔/ライディーンイーグル ドンカラス:エース羽田/ライディーンコンドル ムクホーク:鷹城電光/ライディーンホーク ヨルノズク:鳥飼銀牙/ライディーンアウル ファイアロー:大鳥疾風/ライディーンファルコン THE HEARTS ヤミカラス:南条一夜/ライディーンクロウ エルレイド:カイル・ムーン/ライディーンアーザス ガチゴラス:武者小路藤丸/ライディーンダイノ クロバットorオンバーン:海堂忍武/ライディーン・ブラッド ライディーンの関係者達 ペルシアン:天賀井玲子 カメックス:ダニー・天賀井 声繋がり ワシボン:鷲崎つばさ マリル:鷲崎まりえ タツベイ:宮坂瑠璃 こころのしずく必携 メロエッタ:西条きらり 瑠璃同様こころのしずく必携 ラティアス:ライディーン・セイラ その他の人間 ゴースト:織田勇一 声繋がり 超魔 ダークライ:ルーシュ・デモン ハブネーク:エキドナ ケンタロスorバッフロン:ミノタウロス キリキザン:バーサーカー -- (ユリス) 2015-06-10 16 28 51
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勇者ライディーン 登場人物 登場メカ等ライディーン コメント NETテレビ(現・テレビ朝日)で放送されたロボットアニメ。 登場人物 ルカリオ:ひびき洸 チェリム:桜野マリ ユンゲラー:明日香麗 みらいよち必須 色違いサーナイトorフィオネ:ひびき玲子(レムリア) メグロコ:次郎長 かみつく必須。 ジグザグマ:ポン太 ロズレイドorアーボック:プリンス・シャーキン 前者は仮面繋がり、後者は頭の飾りから。 色違いキリキザン:豪雷巨烈 色違いクリムガン:激怒巨烈 登場メカ等 ライディーン シンボラー 技:つばめがえし(ゴッドブレイカー)/サイケこうせん(念動光線ゴッドアルファ)/チャージビーム(エスパーバーン)/ミラクルアイ(照準セェット!)/ゴッドバード/りんしょう(ゴッドボイス) 備考:見た目は似てないが設定がなんとなく近い+鳥。 化石から復元されるポケモン:化石獣全般 博物館で命授けてもらいましょう。 色違いサザンドラ:ガンテ サザンドラ:メカガンテ メノクラゲ:ドローメ レックウザ:妖魔巨烈獣バラゴーン コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る 草案 登場人物 ペラップ:こっぺ(伊豆公平) ラティオス:のすけ(しんのすけ)(松平新之助) ラティアス:アッちゃん マニューラ:アギャール将軍 登場メカ等 コータス:ボインダー -- (ユリス) 2019-09-29 11 30 26
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最新世代の情報はポケモン対戦考察Wikiを参照してください。 No.289 タイプ ノーマル 特性:なまけ(行動すると次のターンに行動が出来ない。交代は可能) 入手可能ソフト:ルビー/サファイア/エメラルド/ダイヤモンド/パール/プラチナ/HG/SS デメリット670族 HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早 ケッキング 150 160 100 95 65 100 レジギガス 110 160 110 80 110 100 ばつぐん(4倍) --- ばつぐん(2倍) かくとう いまひとつ(1/2) --- いまひとつ(1/4) --- こうかなし ゴースト 一般ポケでありながら伝説級の破格の種族値を誇るが、その代わりにデメリット特性を抱えている。 攻撃強化アイテムの充実や特性のコンボにより、他のポケモンでもコイツ並の破壊力を出せてしまうことも厳しい。